Stockholm (2023)


ストックホルムはコペンハーゲンと比べてより都会で、そしてBusyな街だ。とはいえ、ニューヨークや東京、ロンドンに比べれば街も人もだいぶゆっくりと余裕がある感じである。世界中にはいくつもの都市があり、それぞれの個性とそれぞれの匂い、それぞれのカラーがある。それはまるで、パリのマルシェのカラフルな果物のようだ。品種や形、色や味、この世界にはありとあらゆる果物があることにきみは気付く。

僕らは住んだ街を、旅した街をその味を忘れることなく脳裏に焼き付けるだろう。ベネチアのヴァポレットの音を、ニューヨークの地下鉄から吹き上がる煙の匂いを、パリの芸術家たちが愛したカフェの喧騒を、ベルリンの仲間たちの歌声を、サンパウロで見た夕暮れの街の空の青さを、カイロで味わったシーシャの甘い味を。都市というフルーツを今日も僕らは食べ比べるために旅に出る。都市は僕らを決して飽きさせることはなく、甘く酸っぱい(時に苦い)匂いをどんなに遠くにいたとしても僕らへ届けてくれるのだ。

そして僕は今、ストックホルムにいる。

新しい果実を求めてこの街へ来た。

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